鍛錬は才能に勝る
2019/06/29
今から107年前の1912年に行われた、ストックホルムオリンピック。
陸上男子100mで、初めての国際陸連が公認した世界記録はドナルド・リッピンコット氏の10秒6でした。
ところで、高校生男子100mの日本記録はどのくらいかご存知ですか?
2013年に桐生祥秀さんが出した10秒01なんです。
男子100mの世界記録が10秒01になるのは1956年のことですから、桐生さんは57年前の世界記録に並んだことになります。
もちろん、世界記録はどんどん更新されていますが、日本の高校生が57年前の世界記録に簡単に並んでしまうのはすごいことだと思いませんか?
これには3つの原因があると言われています。
用具(ユニフォームやスパイクなど)の進化
マインドブロック
練習
の3つです。
実はこの中で一番大きな要因は、実は「練習」だと言われています。
どのような練習すれば早くなるか
どこの筋肉を鍛えればいいか
どんな姿勢で走るのがいいか
瞬発力が出る筋肉を作る食事は?
どのタイミングで食べるのがいい
などということが科学的にはっきりとわかってきて、練習方法が変わったのです。
その結果、高校生が57年前の世界記録に並ぶまでになったのです。
先日、好きなスポーツ選手の1位にイチロー選手が返り咲いていました。そして、未だにベスト10読売巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんやソフトバンクホークス会長の王貞治さんが入っています。
他のベスト10の方々も皆さんそうですが、この野球3選手に共通することは、「努力の人」であることだと思います。
王さん、長嶋さんやイチローさんが才能だけであれだけの選手になったわけではありません。大谷選手、羽生選手、錦織選手、皆さんそうです。
もちろん、才能はあったのは間違い無いでしょうが、その才能にあぐらをかかずに、ひたすら努力を続けた結果、手に入れたものなのです。
「究極の鍛錬 天才はこうして作られる」(ジョフ・コルヴァン著、サンマーク出版)という本があります。
内容としては、簡単に言えば、「精神的にはとても辛く、面白くない鍛錬を繰り返し行え」ということなんです。
それしか、道はない、と。
この本の中に、トリノオリンピックで金メダルを獲得した荒川静香さんのことが出てきます。
「荒川静香の二万回の尻もち」という小見出しで書かれています。
その中に次のように書かれています。
「荒川静香の物語はそれ自身として意味があるだけでなく、比喩としても価値がある。二万回の尻もちが「偉大な業績」の源泉だからだ。なぜ人は何年も先にならないと手に入らない報酬のために努力をするのかという疑問を、この事実は提起している。」
その通りなのです。
子ども達がどうしても努力することを避けたくのも、どのくらいやり続ければいいのかわからないからなのです。
この本は「精神的にはとても辛く、面白くない鍛錬を繰り返し行え」と言っています。(もちろん、それだけではありませんが)
鍛錬を繰り返せば、必ず習得できるというのです。
ところが、どのくらいやればそれが習得できるのかがわからないのです。
荒川静香さんは金メダルを取るまで、19年の歳月を費やしています。
そこまで、なぜ、精神的にとても辛く、面白くもない練習を繰り返し行うことができるのか、誰もが驚きと同時に疑問にも思うはずなのです。
子ども達は目の前のテストのことですら、努力ができないでいるのに、です。
イチロー選手は小学生の時に、「プロ野球の選手になる、そのために努力をする。」という内容の作文を書いていたことは有名です。
なぜ、そこまでできるのか、そのことをこの「究極の鍛錬」という本は、荒川静香さんの問題の後に述べているのですが、あえてここでは書きません。
一度、この本をお読みいただければと思うのです。
ご家族もご自分で努力をしてみてください。
なぜ、その努力をしなければならないのか、どうすればこの努力を続けることができるか、ということを真剣に考えるきっかけになればと思います。
そして、子ども達にどうすれば努力を続けることが理解できるかを、一緒にお考えいただければと思います。
ただ、言えることは、「鍛錬し続けることで習得できる」のです。
より良い結果を出すためには、努力が必要なことだということは、誰が考えても間違いのない事実なのです。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。