覚えることは学習ではありません
2025/03/11
覚えることは学習ではありません
覚えることだけで点数が取れることはありません
ブログにお立ち寄りいただきありがとうございます。
感謝申し上げます。
40年近く、子ども達と関わる仕事をしてきました。
進学塾という難関校を目指す子ども達を教えながら、一方で、学校に通えない子どもや低学力の子ども、発達障害などの特性を持つ子ども達も、直接教えてきました。
その中で、子ども達の意識もずいぶんと変わってきました。
これは、社会の変化もあります。
言い換えれば、大人の意識の変化だとも言えます。
このような中で、感じてきた学習に対する意識の変化について、少し考えてみたいと思います。
まず、学習ということについて、「暗記すること」と思っている子どもが圧倒的に多いことです。
これは、年々、「考える、理解する」ことよりも「暗記する」ということだと考える子どもが増えてきているように思います。
具体的なデータがあるわけではありません。
あくまで、私の感覚ですが、近年の方が、「暗記する」と考えている子ども達が増えているような気がしてなりません。
思考力ということについては、学校教育法の第30条2項にも掲げられているくらい、身につけなければならないものとされています。
それにもかかわらず、子ども達が、「困ったら覚えて何とかしよう」とするのは、どうしてでしょうか。
一つには、結果を求められるからというのはあるでしょう。
特に、中学受験のための進学塾に通っていると、大量の宿題をこなし、塾のテストで点数を取らないといけないけれども、考えていたら終わらないとなると、覚えるしかないと子どもが感じることはあるでしょう。
中学生でも、高校生でも、苦手な教科、嫌いな科目であれば、わからないから、できるだけ考えたくない、覚えて済ませたいと思う気持ちはわからないでもありません。
テストであまりにも悪い点数を取らないようにしようとすると、もう、覚えるしかないとばかりに、無理に覚えてテストに臨むことがあるでしょう。
このテストの点数を意識して、何とかやり過ごさないといけないために、覚えて何とかしようとすることは、大いにあると思います。
もう一つは、今は、検索すればすぐに答えが見つかることが影響しているように思います。
昔のように、図書館に行って本を調べてわかるとか、知っている大人に聞きに行くとか、そういうようなことはしなくてもいいわけです。
それは、インターネットの普及に加え、この数年ではAIの普及もあり、ネットで検索する、AIに質問するとすぐに答えが返ってくるので、考えなくても良くなっているからということはあるでしょう。
今や、より正確なことは、インターネットで検索するよりも、AIに質問する方がより早く、より正確な情報が出てくることも多くなっているくらいです。
そんな時代に、子ども達は、考えるよりも調べることの方が早いと考えることは、当然のことでしょう。
まして、考えなくても、調べれば出てくるなら、テストのためだけに考えるようなことは、したくない、できないと思っても仕方がありません。
だから、以前に比べて一層、覚えて終わりにしようとするのかもしれません。
技術の発展に伴い、こういう時代になっていることは、仕方がありません。
しかし、思考力・判断力・表現力というものを身に着けていなければ、AIに使われる側か、AIにとってかわられることになってしまいます。
それでは、AIに頼むほどでもないような仕事か、仕事を失うかしか道はありません。
収入がなくなり、生きていくことが難しくなってしまいます。
でも、今、学校教育の中で、暗記だけに頼る学習をしている子ども達が増えていることは、わざわざ文部科学省が学習指導要領の中にも記載があることからもわかります。
思考力を問われることが最も顕著なのは、大学入試です。
以前は、センター試験の出題でも、知識問題的な傾向がありました。
知っていれば解くことができる問題がありましたが、共通テストになってからは、明らかに思考問題、読解問題が多くなり、しっかりと考えなければならないことがはっきりしてきています。
しかも、全体の文章量が増え、スピードもセンター試験の時よりもさらに要求されます。
読む、理解する、思考する、解答するの4段階のすべてにおいて、スピードを要求されます。
反対に考えれば、要するに、読む、理解する、思考する、解答するの4段階のすべてにおいて、スピードを上げられない、スピードの遅い子どもでは、大学に通ってもらうことはできないと、共通テストではっきりと示されていると考えてよいと思います。
国公立大学に通うのであれば、最低限、この程度のことはできるようにしてきて欲しいということです。
裏を返せば、それくらい大学生ができなくなってきている証拠とも言えるのです。
研究の分野でも、国際競争力を問われる時代です。
AIを使いこなし、確実に研究したり、社会で活躍できるような、思考力を持つ人材しか、必要でないと言われていると考えなければならないのです。
そう考えると、テストの点数のために、暗記に頼るような勉強をしていたのでは、社会では、生きていけない可能性が高い時代になってきているということなのです。
このような時代に、テストの点数が悪いとご家族がお叱りになるのは、ある意味で、子どもを追い詰め、将来、生活できなくさせているとお考えいただかなければなりません。
お叱りになる前に、どうすれば、子どもがしっかりとした思考力を身に着け、テストでも暗記するだけのような勉強の仕方をせず、理解と思考を中心とする勉強方法にできるのかを考えなければなりません。
日頃から、思考力を育めるような環境に家庭の中をしなければ、子ども達の未来は、とても暗いものになるかもしれないのです。
そのくらい世の中の変化が激しく、そのことを意識できない大人とその子ども達が、社会から取り残され始めていると言っても良いかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
どうぞ今日も良い1日でありますことをお祈りしております。
(T)