卒業ホームラン(期末テスト中2の国語)
2020/07/14
来週は期末テストです。中2の国語は、教科書に無い「卒業ホームラン」(重松清)が出題されるようですね。これは東京書籍の国語教科書に載っている文章です。ちなみに附中は教育出版です。
さて、テストに備えて、こんなことを押さえておけば良いのでは、ということについて少々。とはいえ、長文になりますがお付き合いください。
- ホームランを打つ話でもないのに、なぜ「卒業ホームラン」という題なのか。
- 視点人物の「徹夫」は最後のところで『ホームベースという言葉を作った誰かさんに「ありがとう」を言いたい気分』になるのですが、それはなぜか。
- 「徹夫」は娘の「典子」にどんな話をするつもりだと考えられるか。
このあたりが記述問題で出題されると、少々手ごわいのでは? 「卒業ホームラン」を読んでいない人には何のことか分からないと思いますが、今回は附中の2年生に向けたテストのヒントということで、読んでいることを前提に。
主要登場人物は
- 徹夫 父親
- 佳枝 母親
- 典子 中学2年生 徹夫・佳枝の娘。
- 智 小学6年生 徹夫・佳枝の息子
ちなみに苗字は「加藤」さんです。さて、智と典子が反対の性格、というか、状態に設定されているのはすぐにわかりますね。
- 典子 将来への「保証」が無いことで、「何事に対してもやる気をなくして」います。学校でも授業中、上の空の状態で、塾の冬期講習のお金も友達との遊びにつかってしまいます。「来年は受験なんだぞ」と叱責する徹夫に対しては、頑張っても報われるという保証なんかないのに、なぜがんばる必要があるのかとくってかかる。まあ、反抗期です。
- 智 父親の徹夫が監督を務める少年野球チームに所属しています。1年生からずっとチームにいるのですが、まだ一度も公式試合に出場したことがありません。徹夫のセリフに、「実力の世界だからな」とか、「もうちょっとうまけりゃいい」とあるように、まぁ、一言で言えば、「下手」なんでしょう。でも、智は真面目に努力しています。「他の選手がおざなりに済ませる膝の屈伸運動」も、一人で黙々と「丁寧に、一所懸命に」やります。また、自分はベンチ入りすらできないのに、試合に出場する選手たちには声援を送ります。良いやつなんです。
まとめると、「報われる保証」が無いと無気力になっている典子と、「報われる保証」が無くても一所懸命に頑張る智、と、正反対です。で、彼らの父親、徹夫はというと、