今年の私立大学入試は易しかった?
2019/05/27
関関同立大は今年は易しかった!
今年の私立大学受験は思ったよりも
簡単だったイメージです。
特に早慶大や関関同立大は軒並み
昨年よりも志願者数を減らしました。
昨年2018年がものすごく難化した
ために、A判定でも不合格になると
いうことが、多々あったため、
高校や塾・予備校が少し下げ気味に
進路指導をしたと思われます。
ところが蓋を開けてみると、倍率は
減り、昨年並みの合格者数になって
いることからも、今年は昨年よりも
合格できたというのが実感です。
これは「私立大学経常費等補助金」
よく言われる私学補助金というものに
対して、文部科学省が昨年並みにする
という発表をしたからです。
これは私立大学経常費等補助金
(以下、私学補助金)は、入学定員に
対して実際の入学している生徒が
何倍かということによって、助成金を
もらえるかどうかが決まるからです。
どのくらいまで許容されていたか
ですが、過去5年間は下記の
通りです。
2015年度 1.2倍
2016年度 1.17倍
2017年度 1.14倍
2018年度 1.10倍
2019年度 1.10倍
私学助成金は、簡単に言うと、授業料の
約10%です。ですから、関関同立大クラス
の文系学部なら年間授業料が120万円
くらいなので、一人当たり12万円を
国から助成金として受け取ることが
できるのです。
2015年度は定員の1.2倍までOKでした
から、定員が300人だとすると360人
までにおさまっていたら、授業料が
120万円なら、4320万円が助成金
として、受け取れたのです。
ところが2018年度は1.1倍におさめないと
いけなくなり、かなり厳しくなりました。
というのは、高校入試と違い、合格者を
出しても、どの程度、入学してくれるか
は、まったく読めないのです。
各大学とも、専門のチームを作って、
どのくらい入学してくれるかを必死に
考えて、対応しているのです。
それでも、実際のところは、合格通知を
出してみないとわからないというのが
現状です。
これに失敗すると、億単位のお金が
大学に入ってこなくなるので、
担当者としたら、大問題なのです。
2018年度、2019年度で考えると、
大きな大学だと1万人以上が入学して
きます。
1万人×(1人あたりの助成金12万円)
=12億円
が国から助成金として受け取れる
はずなのです。
ところが、定員の1.1倍を1人でも
はみ出したら、12億円が吹っ飛ぶの
です。
普通の民間企業で、12億円の損失を
出したら、間違いなくただでは
すみません。私立大学と言えど、
同じです。
当然、怖くて仕方がないので、厳しく
するしかないのです。
これが2018年度に私立大学が難化
した原因なのです。
来年は、どうなるかわかりません。
しかし、安易に関関同立大でいいと
言える状況ではなくなっていると
いうのが現状です。
これは国公立大学を受験する人に
関係がないとは言えないのです。
なぜなら、併願を全くしないので
あれば、構いません。
しかし、センター試験がなくなる
ので、来春、現役で何としても合格
したい、と考えた時に、関関同立大
「でもいい」とは簡単に言えないからです。
ちなみに、どのくらいの受験生が
関関同立大を本命にしている
かということですが、合格通知を
出して、入学してくる生徒の割合は
おおよそ下記の通りです。
関西学院大学 34%
関西大学 33%
同志社大学 32%
立命館大学 25%
合格通知を100通送っても
入学手続きをしてくれる受験生が
半分どころか40%もいないのです。
ということは、大半が国公立大学など
他の大学を志望しているということ
なんです。
こう思うと、国公立大学はさらに難化
していくことがわかります。
有名国公立大学と難関私大に受験生が
集中していますから、真剣に大学受験の
準備をしなければ、合格できないことが
よくわかると思います。
しかも、高校受験と比べても、自分で
問題を解く量が圧倒的に多くなりますし、
それができない受験生は合格できません。
そのために、授業を聞いてばかりでは
全く歯が立たないことは明らかなのです。
以前、弊社で、予備校講師の先生を
お招きして講演会を行いました。
予備校の先生の話の中にも、自分で
問題を解いて、考えることを
しなければならないと、その講演会で
予備校の先生がおっしゃっていました。
そうなると、目標大学に合格するには
いつまでに、
何を、
どのくらいするのが良いのか
を自分で判断しなければならない
ことは、今、小・中学生をお持ちの
保護者の方は、知っておいて
いただければと思います。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。