眠らずに必死に勉強するほど点数はとれない!
2019/05/18
眠らずに必死に勉強するほど点数はとれない!
今回は睡眠と記憶と試験勉強の話をしたいと思います。何と言ってももうすぐ中間テストですからね。
試験のときに睡眠時間を削って勉強しているのをみると、どんな感じを受けますか?
何となく、「おっ、がんばってるな!」っと思ってしまいませんか?「日ごろやってないからだ」というケースもあるかもしれませんね。
本人はすごく勉強しているわけですから、勉強している実感が大きいと思います。
家族も本人ががんばってることですごく安心はできると思うのです。
ところが、答案用紙が帰ってくると「何でこんなに悪いの?」と思ったことはありませんか?
意外と結果が良くなく、90点以上はあると本人もご家族も思っていたのに、63点だった、ということは良くあることなのです。
結果が悪かったから、すぐに間違い直しをすれば、できないところをできるようにしておけるのですが、だいたい、良くなかった教科のテストの間違い直しはすぐにはしたくないものです。
その上、試験が返却されてきてから、10日以上も放っておいてやっとのことで復習をしようとたときには、もうすっかり何も覚えてなんていません。
だから、試験の復習をしようにもできなくなり、結局、やり直しをすることもやめてしまうことになってしまいます。
こんなことにならないようにするにはどうしたらいいのか、ということですが、事前にテストに向けて準備をするのは当然のことです。
その上で、今はテストが近いので、テスト直前の勉強についてのことをお話しておきたいと思います。
テストの前日は寝る前に、暗記物をしっかりと覚えること、特に、眠る30分前にどうしても覚えにくいと思う内容を勉強して、早めに眠ることです。
心理学者K.Mダレンバックと、J.Gジェンキンスのが1924年に発表した論文には「忘れる」というのは、時間よりは他の精神活動による「干渉」だと書かれていました。
これはたいへん有名な話で、「干渉」を起こさないためには睡眠をとることが確実な方法であることがダレンバックとジェンキンスの実験からわかったのです。
ところで、脳の中で記憶を作り出すのは「海馬」というところです。
この「海馬」は寝ている間に、脳に入っている情報を整理し選択するということが、近年の研究でわかっています。
だとしたら、徹夜するなんてことは、「海馬」に記憶の整理をさせず、たくさんの情報を脳に入力することから、たくさん覚えないといけないことから考えると、とても非効率だとわかります。
まして、最初に入っている情報(記憶)に後からの情報(記憶)が「干渉」して、最初の情報を脳から消し去ってしまうのですから、本当に何をしていることかわかりません。
まさに、睡眠を削って試験勉強したら点数が良くないことは科学的にも証明されていることになります。
夜遅くまで試験勉強をして、結果の点数が悪くなるくらいなら、眠る前にしっかりと暗記物を覚えて、しっかり眠って、朝、寝る前に覚えた暗記物をもう一度確認しておきたいですね。